神奈川県横須賀市に本社を置くSTARIUM(スタリウム)と、横須賀市立総合医療センターが連携した「ARどうぶつえん」の常設提供が、2026年3月2日(月)から同センターの小児科にてスタート。
地域企業の協力により実現した小児医療支援の取り組みである。
旭山動物園監修の「ARどうぶつえん」
AR体験コンテンツの企画・開発を手がけるSTARIUMは「すべてのひとびとに、“想像する楽しさ”と“発見のよろこび”を」というミッションのもと、テクノロジーを通じて、心を動かす出会いや、考えたくなる風景を世界に広げている。「ARどうぶつえん」は、世界的な人気を誇る北海道旭川市の旭山動物園監修のもと、現実には存在しない場所や空間にリアルな実寸大の動物たちを出現させるAR(拡張現実)技術を活用したサービスだ。
SoVeC(ソベック)のVisual Positioning System(以下VPS)技術で日常空間にARを表示させる、国内初のロケーションベースARアプリ「XR CHANNEL」を活用。リアルな表現によりスマートフォンやタブレットを通じて、まるで目の前に動物がいるかのような非日常的な体験を創り出す。すでに全国の病院や特別支援学校などでイベント導入が実施されており「笑顔が増えた」「会話が生まれた」「子どもたちの恐怖心が減った」など、多くの現場でポジティブな反応が生まれている。
横須賀の子どもたちのため小児科に常設導入
「ARどうぶつえん」は、入院や通院をする子どもたちの不安や孤独感を和らげ、安心して医療を受けられる環境づくりに貢献することを目的としている。小児医療の現場は日常生活から切り離され、家族や友達と会えない孤独感、外出できず同年代の子どもたちの体験から遠ざけられる寂しさ、検査や治療に伴う不安や孤独感、退屈の軽減、また家族の情緒的負担の緩和といった課題が継続的に存在している。その中で「ARどうぶつえん」は、AR技術を通じて病院内に“小さな希望の景色”を創り出し、子どもたちに笑顔と安心感を届けることができる。
また「ARどうぶつえん」は「横須賀の子どもたちを、横須賀の企業が支える」地域プロジェクトとして、「子どもたちの未来のために」という想いに共感した地域事業者からの支援により実現。“未来の横須賀を支える子どもたち”に対する地域の温かさの象徴となる取り組みだ。
権田総合法律事務所、エスシープランニング、ORSA、臼井不動産、萩原通信、木村金属工業、エステートナビ、Rバンクと多数の企業が支援している。(2025年12月現在 順不同)
STARIUMでは、この取り組みを横須賀市立総合医療センターから全国の医療機関へと展開する。
患者に寄り添う環境づくりに注力
横須賀市立総合医療センターは地域の中核病院として、質の高い医療提供に加え、患者様に寄り添った環境づくりに力を入れていることから、緊密な連携のもと実現。小児科のスタッフも「子どもたちの表情が明るくなることを期待している」という。動物と相対して笑顔が戻る、離れている家族にも安心感をもたらす、病棟の雰囲気がやわらぎ医療スタッフとの会話が増えるなど、医療的にも心理的にも大きな意味を持つ取り組みである。
2026年3月2日(月)から提供がスタートする横須賀市立総合医療センターの「ARどうぶつえん」。小児医療を支え、地域の子どもたちに笑顔を届ける取り組みに注目が集まりそうだ。
■横須賀市立総合医療センター
所在地：神奈川県横須賀市神明町1番地8
公式サイト：https://ygmc.jp/gaiyou/info/
(夏木里緒)
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